APPSHEET(アップシート)とは、アプリ利用者が開発者となってノーコードでアプリを作れるクラウドソフトのことです。
表計算ソフトのビジネスデータを活用して業務アプリを作成することを目的にしています。
グーグルが提供するツールなので、安心のクオリティで無駄のないデータ連携が特徴です。
ノーコード開発ツールって何のこと?
コンピュータに命令する特別な言語(コード)を必要としないで、アプリを開発できるツールのことですよ
この開発ツールは無料で利用できるので、プログラミング知識のない文系の自分でも使えるか試してみました。
結論、ノーコードで開発できました。
GoogleAppScript(GAS)(ExcelでいうVBA)を知らなくても大丈夫です。
ただし、日本語版がないので英語表記に慣れる必要があります。
Excelやスプレッドシートなどに慣れていて、データベースの知識があったほうが上達は早いです。
色んな人にAPPSHEETを使ってもらえるように、専門用語を極力使用せずに実際の画面で紹介していきます。
(そもそも専門用語をよく知らない…)
本記事の内容
1.専門知識がなくてもアプリができあがる仕組みを解説(画面付き)
2.APPSHEETが一般ユーザー層のためである理由
3. 中小企業のDX化に最適な理由
APPSHEETの始め方がわからない方は以下の記事を参照してください。
初回登録で失敗しないAPPSHEETの始め方
2022/1/7
APPSHEETの初回アカウント登録のやり方について説明します。APPSHEETでは独自アカウントを作りません。グーグルやマイクロソフトなどのアカウント(IDとパスワード)利用での登録になります。どの ...
知識ゼロからアプリ作成
APPSHEETは、プログラミングの知識ゼロでもアプリ作成が可能です。
そもそもスタート時点で使用可能なアプリが出来上がっていました。
動くアプリが始めからセットしてあるので、アジャイル(仕様修正⇔動作確認)しながらカスタマイズできます。
3つの選択肢で即アプリ化
上の画面は、新しいアプリを作成をする時に出てくる画面になります。
そこで選択肢3つ
1『Start with your own date』
スプレッドシートなどからアプリを作成
2『Start with an idea』
アイデアからアプリを作成
3『Start with a template』
用意したテンプレートから選択
この3つの選択肢からどれかを選ぶことになります。
選んだ結果、しばらくすると下のような画面に移動します。
右側にアプリデモ画面があります。
APPSHEETが「とりあえずこんな感じかな?」と簡易デモアプリを作成してくれるんです。
実際のアプリで確認しながらカスタマイズしていく。
これがAPPSHEETの特徴の一つです。
表計算ソフトのアプリ化
作りたいものが決まっていて、既存のExcelやスプレッドシートにデータがあれば、今すぐアプリが作成できます。
例としてグーグルスプレッドシートに社員テーブルっぽい項目を入れてみました。
ここではID、名前、かな、役職、作成日、最終更新日、フラグを列の項目に入れました。
ここから一気にアプリが作成できます。
グーグルスプレッドシートなら、拡張機能 > APPSHEET > アプリ作成 の手順で即スタート。
ブラウザ(WEB閲覧ソフト)はグーグルクロームが便利
これでAPSHEETにアプリが作成されます。
APPSHEETの画面が立ち上がったら、『カスタマイズを開始します』のボタンを押します。
開始後の画面では従業員テーブルが表示されます。
日本語翻訳機能ONだと日本語も翻訳されて表示がバグるので注意。
例:社員 ⇒ 従業員
ここで、テーブルタブの隣にある列タブをクリックします。
画像のように先ほど作成した社員テーブルの項目一覧が表示されます。
APPSHEETは表計算ソフトのシートを基準にアプリ化するソフトです。
そのため、普段からExcelやスプレッドシートを使用している一般ユーザーが取っ掛かりやすくなっています。
それ以外にも、何も設定していないのに、APPSHEETが列の内容から、"ID"をテーブルの鍵(キー)だと認識するんです。
それぞれの値のタイプも自動で判別してデータタイプを入れてくれてます。
素人がつまづきやすいキー設定やドメイン(データタイプのこと)指定が自動なところも、APPSHEETの優れている点だと思いました。
シートの関連性(リレーション)設定もほぼ自動です。
例:”社員ID”と社員テーブルで設定し、部門テーブルで ”社員ID” を項目に入れておくと、タイプがrefになりテーブルが繋がります。
今回、例として社員データを入力して表示するアプリを作成しました。
時間にすると5分程度です。
APPSHEET以上の開発速度でアプリ作成できるノーコード開発ツールは他にありません。
一般ユーザー向け
APPSHEETは一般ユーザー向けに作られたソフトだと思います。
APPSHEETは、既存セットを利用して作成していくので、設定が簡単なぶん細かい調整ができません。
アプリ開発に慣れている人は、細部修正ができないので使いづらいと思います。
逆に、一般ユーザーからすれば、選択肢が少ないことはメリットだと思いました。
何から手を付けていいのかわからなくなることが少ないからです。
APPSHEETのできないこと
できなかったことは次のとおりです。
- 入力フォームが1種類しかない
- 既存の表示画面の細部修正ができない
- 文字の大きさやフォント変更機能が少ない
- スプレッドシートの行削除がない
ほかにも色々と制限があるので、思い描く処理ができるかどうかは、今後の機能追加しだいです。
現状では、APPSHEETで既存セットの様式を変更できる自由度は低いと思いました。
仕様に不満があれば『bubble』などほかのノーコード開発ツールを試すことをおすすめします。
制限があるってことは、作りたいアプリができるかどうかわからない?
表計算ソフトのデータ表示関連と入力ならほぼできると思っていいよ
テンプレートである程度わかるから見てみて
了解!!
オプションでコーディング機能を追加するのは設定として可能なはずなのに、あくまでノーコードにこだわっていると実感
『アプリ開発者=利用者』として使ってほしいというAPPSHEETからのメッセージだと理解します。
できることがわかりやすい
一般ユーザーとしては選択肢が限定しているので、できることがわかりやすいです。
「色んな機能があって何をすればいいかわからない」といったパニックになりません。
例えば画面設定です。
画面タイプは11種類が用意されていて、そのなかから一つを選択します。
選択すると隣の画面が切り替わるので、どれが自分の要望に沿う画面なのかを見ながら選ぶので失敗しません。
アクションボタンなども同様です。
既存セットのアクションリストから選択肢を選ぶのが基本です。
機能がなければ、GASで実装するか機能を諦めるか、判断します。
グーグルのシンプルなUIと高速さを超えるバリューを提供できるSEはごく一部です。
システム換装や導入を考えている企業には、ぜひAPPSHEETのアプリを考えてみてほしいと思います。
中小企業のDXを推進
APPSHEETは、2020年1月にグーグルが買収したノーコード開発会社です。
グーグルは、APPSHEET買収に伴って自社開発していた『App Maker』のサービスを停止させました。
http://workspaceupdates.googleblog.com/2020/01/app-maker-update.html
そこまでしてAPPSHEETに乗り換えたのは、APPSHEETがほかと比べて圧倒的に一般ユーザーにとって使いやすいものだったからです。
日本では中小企業のDX化は思うように進んでいません。
APPSHEETを基点にして作り直せば、自社でカスタマイズできるので、アジャイルによって仕様改修ができるようになります。
BHI: Google Workspace と AppSheet を活用して職場環境を変革
どのデータも拒まない
APPSHEETはどのデータからでも構築できるのも魅力です。
APPSHEETのデータ連携
- Excel
- セールスフォース
- DROPBOX
- スプレッドシート
- AWS
- My-Server ほか
ほぼ主要なデータベースとデータ構築できるようになっています。
レガシーなデータを移管する際に、ほかのツールよりも制約がないため、取り入れやすい要因となりそうです。
自社内製化のメリット
APPSHEETであれば従来より開発費が抑えられます。
中規模クラスの販売管理や在庫管理システムであれば、自作開発も可能です。
システム開発でよく発生する仕様変更も自社対応可能で、維持費もグーグルへの月額利用料くらいで済みます。
2025年の壁を考えるとシステム換装を内製化することは必須です。
一般社員が業務改善で自社システムの入力フォームを追加することも夢ではありません。
APPSHEETでビジネスライフを変えていきましょう!!